FAXの規格・G3とG4の違いを解説
FAX 規格g3とg4の違いは「使用する回線」
FAXの規格は、大きく分類するとg3とg4に分けることができます。
g3規格は、銅線で作られている回線を使うためメタル回線とも呼ばれます。アナログ回線をメインに使うという特徴がありますが、近年ではアナログ回線を使用した電話やFAXの回線は減っており、それに代わって光回線が広く普及しています。光回線はIP電話なども含まれているほか、デジタルデータをVoIP技術によって音声データへと変換したものも含まれています。これらの回線を使用するFAX機器の規格はg3です。
一方、g4規格が使用する回線は、アナログ回線でも光回線でもありません。ISDN回線を使うという点が大きな特徴です。もしもg4規格のFAXを導入した場合、アナログ回線や光回線に接続してもFAXの送受信をすることはできません。FAXごとに規格が設定されているため、どの回線を使って送受信するかに合わせて適切なFAX機器を導入する必要があるでしょう。
G3回線とg4回戦とでは、使用する回線以外にも異なる特徴がたくさんあります。
1つ目の特徴は、FAXを送信する際にかかる時間です。g3規格の場合には、1枚送信するのに約30秒から60秒もかかってしまい、スピードという点ではあまり優秀とは言えません。しかしg4規格では、1枚贈るのにわずか3秒しかかからず、とても迅速です。このg3規格のスローな送信スピードを改善した規格に、スーパーg3があります。これは、基本的なg3の規格を基盤に問題点を改良したもので、FAXの通信スピードはこれまでの半分以下へと大幅に短縮されているという特徴があります。1枚のFAXを送信する際にかかるスピードはわずか10秒程度で、g4規格と比較するとまだ若干遅いものの、従来のg3規格と比較すると大きなメリットが期待できます。
2つ目の特徴は、解像度の違いがあります。g3規格では、従来のg3もスーパーg3も、解像度は200dpiです。dpiというのは1インチ四方にどのぐらいのドットを打てるかを示したもので、この数が大きければ大きいほど解像度が高く、画質がより鮮明になります。このg3規格の解像度200dpiがどのぐらい鮮明なのかというと、一般的に流通している紙面媒体よりも粗めという印象があります。一般的な紙面媒体の解像度は350dpi程度で、雑誌や広告を見ても荒いと感じることはそれほど多くはないものです。しかしg3規格の200dpiでは、紙面媒体としてはあまり鮮明ではない解像度だと言えるでしょう。
それではg4規格ではどうでしょうか?こちらは、解像度は400dpiと鮮明です。写真や図面などを送受信する際には、このぐらいの解像度があれば大満足と言えるのではないでしょうか。
ただし、ここで注意したい点があります。FAXの送受信では、送信する側と受診する側のFAX規格がそれぞれ大きな影響を与えます。送信する側がg4規格で鮮明な画質のデータを送っても、受信する側のFAXが解像度の低いg3規格では、残念ながら受信側が受け取るFAXの画像は画質が悪くなってしまいます。FAX機器の規格が異なる相手との送受信は可能ですが、画質の点は低くなる可能性があります。
g4規格は2024年で使用中止
ISDN回線を使用するg4規格のFAXは、この回線がすべてIPネットワークに切り替わる2024年に使用できなくなってしまいます。この規格のFAXを導入している企業は、FAX機器が使用できなくなってしまうため、機器の買い替え作業が必要となるでしょう。g4規格がなくなるという事は、日本国内で使用されるFAX機器はすべてg3規格となります。しかし従来のg3規格では通信スピードがとても遅いため、もしもこれから買い直すなら、スーパーg3規格を選ぶのがおおすすめです。