人事評価システムを導入する前に把握しておきたい人事評価システムのメリット、デメリット
企業のIT化はさまざまな部署で行われていますが、人事部門においては人事評価をデジタルツールで行うのが一般的です。これから導入したいと思っているのであれば、人事評価システムのメリット、デメリットのどちらも把握しておく必要があります。本記事では、人事評価システムのメリット、デメリットについて解説していきます。
人事評価システムのメリットとは?
デジタル人事評価システムのメリットで大きなポイントは、端的に言えば効率的な評価ができるということです。評価プロセスを自動化するため、社員の評価を迅速かつ正確に行えます。評価を社員が手作業で行う場合よりも時間と手間を節約できると言えます。
もう一つのメリットは、客観的な評価が可能となる、もしくは人が評価するよりも質が上がるという点です。定量的なデータを基に評価を行うため、人間の主観的な評価、もしかすると好みや感覚で判断していたような評価を排除することができます。このため、評価の公正性が向上し、社員はより公正で適切な評価がなされていると社員も実感できるでしょう。正当な評価を受けているという感覚があると、やりがいを感じやすくなりますし、モチベーションを高く保つのにも貢献してくれます。
そして、評価結果の分析ができる点も見逃せません。評価ツールでは、社全体や部門ごと、社員ごとのデータを提供してくれますので、業績に関する傾向や問題点を特定できます。このため、企業は業績を上げるための改善策を検討しやすくなります。
またフィードバックを集められるのもメリットです。デジタル人事評価システムの多くは、評価結果を社員に対してフィードバックを提供することができます。このため、社員は自分の業績について会社がどのように評価、判断しているのかを知り、自己改善につなげられます。
デジタル人事評価システムのデメリットについて
デメリットしては、技術的な問題があります。たとえば、システムの不具合、アップグレードの必要性、ネットワークの不安定性などが挙げられます。システム自体がダウンしてしまうと、人事評価そのものができなくなってしまうので、大きな混乱をもたらすことになります。また、せっかく効率的な人事業務ができる環境を作っても、利用者が操作法を熟知していないと使い切れない恐れがあります。
もう一つ気を付けるべきなのが、個人情報の保護です。システムには従業員の個人情報が収集され保管されますので、個人情報保護法に従う必要があります。万が一、システムのセキュリティが不十分な場合、個人情報漏洩のリスクが生じる可能性が生じますので、サイバーセキュリティについて十分把握しておく必要があるでしょう。
定量的な評価には限界があるという点も企業側として理解しておくべき点と言えます。人事評価システムの良い点は、評価の自動化と客観的な評価です。しかし、数字には現れてこない人材の評価をしなければならない点もあります。仕事への熱意や創造性、人間関係、数字に表れないバックアップによるプロジェクトへの貢献といったものです。こうしたポイントは、機械的に評価するのが難しいので限界が生じてしまうわけです。こうしたことから、すべてをツールに頼るのではなく、一定部分は人間の目と頭で判断しなければならないこともあるでしょう。
人事評価システムにはメリットデメリット両方があることを理解して導入すべき
人事業務の効率化や公平化が図れるデジタルツール導入は、多くの企業が進めています。メリットの大きな施策であるとはいえ、デメリットが存在するのも確かです。両者についてしっかりと検討し、バランスの良い決定と利用ができるようにしましょう。