導入が増えつつある1on1とはどういうシステム?システムややり方を徹底解説
1on1とは?
会社などの組織の中では、管理する上司と部下との間のコミュニケーションというのは非常に大事です。人間関係を培ったり、部下の育成や指導をするために欠かせないものなのです。そのコミュニケーションを取る方法の一つとして、1on1というシステムが注目されています。1on1とは、この言葉から分かるように、上司と部下が2人だけで話し合うことを指します。
1対1での対話というと面談をイメージする人も多いかもしれません。しかし、一般的な面談と1on1とは異なります。というのも、面談は多くの場合、部下から聞き取りを行い評価する、もしくは上司が部下に指導をするといった目的で行うものだからです。こうした面談は一定の目的を達成するのですが、部下つまり面談の対象者はネガティブな印象を持つことも多いのが事実です。一方で1on1は、部下を育てるために行います。部下が成長できるように、今どんな悩みや課題を持っているのか、どのようにこれから頑張っていきたいのかなどを聞くことに力を入れます。その上で、上司が一方的に指導を与えるのではなく、部下の気持ちや考えに寄り添いながら、共にさらなる目標や解決策を見つけていくという方法を採るわけです。そうすることで、1on1のコミュニケーションを取った部下が、上司との良い時間を持てた、実りのある機会だったと思えるようになります。
こうした1on1を実践すべきなのは、現代の従業員の特性が関係しています。特に若い世代については、自分の考えや感情を否定されることが心理的な負担になる傾向が強いです。そのため、相手に寄り添った形で指導をしていかないと、すぐに離職してしまう原因となるのです。優秀な人材を引き留めておくため、そしてさらに成長させるために、1on1は重要な施策となっているわけです。
1on1のやり方
まずは、社内で1on1とはなにかということを知ってもらう必要があります。評価面談ではなく、悩みを話したり成長のために一緒に考えたりする場であるということを理解してもらいます。そうすることで、心理的ハードルを下げて効果をあげやすくなります。その上で、ミーティングのルールや予定を組んでいきます。通常1on1は、週1から月1の頻度で行いますが、無理なく行えるように上司と部下の都合を調整しやすいよう、柔軟なスケジューリングができるようにします。もしくは、オンライン会議システムなどのツールを使って、対面でなくても開催できるようにしておきます。
実際に1on1を行う際には、毎回の話し合いの内容を記録しておきます。これは話し合った内容を上司が確実に覚えておき、次回に生かせるようにするためです。次回実施する際には、前回の内容を振り返り、つながりのある内容とすれば、部下としても自分の発言を覚えてくれたと感じられ、信頼関係を深めるのに役立ちます。そして、1on1は何回かやれば良いというものではなく、ずっと継続してこそ効果のでるものです。そのためにも、会社側で着実に1on1を継続できているかをチェックする必要があります。
1on1についての理解を共有しよう
1on1は、上司と部下の2人で話し合い、部下の育成をしていくコミュニケーションシステムです。1対1で対話するというと、否定的な印象を持っている社員が多いものです。そこで、1on1を導入するためには、部下の悩みに寄り添い成長を目指すものであるという理解を共有して、心理的な負担を軽減することが重要です。こうした点に気を付けて、効果の出る対話を続けていきましょう。