FAXのECMとは

FAXのECM機能とはどんな機能?ECMについて徹底解説

FAXの仕組みと関係のあるECM

FAXに備わっている機能の一つに、「ECM」という機能があります。これは「Error correction mode」の頭文字を取った略称で、簡単に言うと、送信するFAXにエラーがないかをチェックし、あった場合は修正して送ることができる機能のことです。日本語では「誤り再送方式」といった呼称で扱われており、国際電気通信連合によって定められた規格で、世界的に採用されている機能となります。
この機能について詳しく知る場合、まずはFAXの仕組みについて理解する必要があるでしょう。FAXというのは、機械によって書面の情報を読み取り、内容をデータ化するところから始まります。データ化された情報は回線を通じて相手に送られ、受信機は受信したデータを基に印刷を行い書面の再現を行う、というのがFAXの仕組みなのです。このとき読み取るデータは、テキストデータや画像データではありません。例えば「あいうえお」と書かれた書面をFAXの送信機で読み取った時、「あいうえお」と書かれていると判断して受信機にその情報を送り、受信機が「あいうえお」と印刷するわけではないのです。FAXが読み取るのは、あくまで書面上の図なのです。

書面上の情報として、まずグラフを書き込むような、細かなマス目にわかれた紙面を想定してください。そのうえで、白色の部分は0、黒色の部分は1というデータにそれぞれ置き換えて考える場合、何も書かれていない真っ白な書面は「0」の情報のみとなります。それに対し「あいうえお」と黒字で記載がされていれば、上から何列目、横から何列目のマスは黒いので1、その横のマスも1、その横は白いので0…といった読み取りを行います。このデータ受け取った受信機側で、このマスは黒、このマスは白、と印字が行われ、最終的に「あいうえお」の文字が浮かび上がる仕組みになっているのです。
例えば、将棋では盤上の横を1〜9、縦を一〜九とし、各マス目にいわゆる住所を振っています。「2五歩」と言えば、横の2列目、縦の5マス目に歩のコマが置かれたことがこの将棋のルールを理解している人なら誰しもが分かり、口頭で伝えられるだけで盤面に試合中のコマの位置や動きが再現できるようになっています。これと似た原理が、FAXの印刷の仕組みなのです。

ECMのメリットとデメリット

しかし、データ化した情報は100%完璧に伝えられるわけではありません。データの大きさに対し回線が弱ければ、送信・受信の過程でデータの一部が破損したりしてしまうのです。文字が読めない、グラフがずれていて正確な数値の位置になっていないなど、書類によっては致命的なエラーになってしまうでしょう。ECMは、こういった送受信の際に起きてしまったデータのエラーを適宜修正し、正確なデータの再現ができるように採用されているシステムとなっています。
メリットとしては、やはりデータの再現性が高く信用できる書類になる点でしょう。送信した側、受信した側でほぼ同じ書類を見ることができるので、やり取りに齟齬が生まれてしまう危険性を少なくできます。デメリットとしては、エラーがないかをチェックし、あった場合は適宜修正しながらの送受信となるため、場合によっては時間がとてもかかってしまう点にあります。また、ECMの設定をオンにしている同士でないと機能が反映されないのもポイントです。

重要書類のやりとりではECMのオンがおすすめ

FAXでやりとりする書類の中には、送信側の書類がほぼ完全に再現されていなくても困らない書類というものもあると思います。そんな場合は、読み込みを軽くするためにもECM機能をオフにして問題ないでしょう。ただ、なるべく完全に再現したい重要な書類などをやり取りする場合は、双方のECM機能をオンにして、適宜チェックを挟みながら送受信を行うのをおすすめします。


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